血栓とは

血栓とは血管に損傷が起きた際、修復のために血液などの物質が固まり、その後溶けることなく肥大したり、剥がれて他の細い血管に移動したりして血管の「詰まりの原因」となっている状態を表します。この血栓のせいで詰まった血管の周囲の脳細胞が壊死してしまうと「脳梗塞」になります。

血栓の原因

糖尿病や脂質異常症(高脂血症)など「血液が変質して、流れが悪くなる病気」が原因と言われています。上記の病気になると血液がドロドロと粘性を持ち、血管が傷つきやすくなるので、血栓が作られやすくなります。血栓を溶かす力も低下しているので、いつまでも血流を邪魔したり、血栓が剥がれた際、塊のままで移動し他の細い血管を塞ぐこともあります。
他に「同じ姿勢で長時間座る」といったことでも血栓はできる場合があり、これが肺の動脈を塞いでしまうと「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気になります。

血栓が脳梗塞に至る理由

血管にできてしまった血栓が剥がれ脳まで到達したり、脳内でできた血栓がいつまでも溶けずにいることで血管を詰まらせてしまうと細胞に十分な酸素や栄養が届かなくなります。このことにより細胞が壊死してしまい「脳梗塞」となって様々な障害がおきます。

血栓の症状

血栓だけでは自覚症状は現れません。
ただし、血流の悪化が重篤化し脳梗塞になりつつあると
・片方の手足のシビレ
・言葉が出にくくなる
・片方の視力だけが一時的に低下する
・立ちくらみ
・意識の低下

といった症状が見られます。
この症状は1時間~24時間程度で消えてしまう事がありますが、「脳梗塞の発症が間近に迫っている」ことを示すので、放置せずにすぐに医師の診断を仰いで下さい。

血栓の予防

「生活習慣病の予防」が血栓を防ぐことに通じます。
これらの対策を取ることでドロドロ血液をなくすと、血管が傷ついて血栓ができる可能性が減りますので、ぜひ実践してみてください。

血栓の予防 食事編

食べ過ぎや偏食をしないよう、腹八分目でバランスの良い食事を摂ることが重要です。
塩分や糖分、脂肪分のとりすぎにも注意してください。

血栓予防に良いと言われる食材

以下の食材に含まれる成分には血栓を予防する効果があると言われています。

・納豆・・・ナットウキナーゼ
・ネギ、ニンニク、ショウガなど・・・硫化アリル
・魚介類(カニ、イカ、タコ、アサリ、カキなど)・・・タウリン
・青魚(アジ、イワシ、サンマ、ブリなど)・・・EPA・DHA

「水分不足」も血液がドロドロになって血栓ができる原因となるので、水分摂取にも
気を付けるようにしましょう。
しかしお酒は肝臓の機能を低下させて中性脂肪を増加させてしまうことになるので
飲み過ぎないようにしてください。

血栓の予防 運動編

運動をすることで摂取した脂肪や糖分が燃やされ、ドロドロ血液を解消することが出来ます。
特に有酸素運動が有効でウォーキングやサイクリングなどがオススメです。
まとまった時間が取れない人も短時間でよいので毎日運動を続けるようにしましょう。

他には「喫煙」「睡眠不足」「ストレス」なども血管に負担をかけ傷つけやすくしたりドロドロ血液の原因になりますので禁煙、生活リズムの見直し、ストレスの解消方法を見つけるなど して改善させて下さい。

血栓の治療

血栓の治療には薬を使います。血を固まりにくくしたり、血栓そのものを溶かす効果があり
症状の改善が期待できますが、副作用があるので注意が必要です。

抗血小板薬 ~アスピリン・クロピドグレル・シロスタゾール・チクロピジンなど~

血小板の作用を鈍らせ血を固まりにくくさせる薬です。
副作用には以下の物が見られます。

・アスピリン喘息(アスピリンを服用した場合)
・出血しやすくなる
・病気への抵抗力の低下
・頭痛 
・吐き気 など

抗凝固薬 ~ワーファリン・リクシアナ・イグザレルト・プラザキサ・エリキュースなど~

血液の固まる力を弱めて、血栓ができないようにします。
副作用として以下の症状が出る場合があります。

・内出血
・傷からの出血が止まりにくい
・血尿、血便
・月経過多
・立ちくらみ など

血栓融解薬 ~ウロキナーゼ、t-PAなど~

脳梗塞で倒れてしまった人に投与される薬で、血栓を溶かす働きがあります。
特に「t-PA」は強力で、発症後3時間を超えてしまうと投与が禁止されています。
またどちらも「出血を起こさせやすい」とともに、以下のような副作用を引き起こす事があります。

・頭痛
・寒気
・血尿
・嘔吐
・倦怠感
・発熱 など

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