- こんな症状のあなたは
脳幹梗塞の可能性があります -
- めまい
- 意識障害
- 瞳孔異常
(明るい場所で瞳孔が開いたり、暗い場所で瞳孔が収縮する、光を当てても瞳孔が反応しないなど)
- 顔面の運動・感覚の異常
- 手足の運動・感覚障害
脳幹梗塞とは
脳幹梗塞は「脳幹」という部位の血管に血栓や狭窄が起きて詰ることで脳に障害がおきる病気です。大脳、小脳、脊髄からの信号を中継する脳幹には、12種類ある脳神経のうち10種類が通っていて、「呼吸」などの生命維持に重要な機能も含まれます。この部分が梗塞を起こした場合は、死に至る可能性が高く大変危険です。
脳幹梗塞の原因
生活習慣病が原因の一つだといわれています。
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病に内包される「動脈硬化」が、脳幹の血管の詰まりや狭窄を引き起こすことによって脳幹梗塞を発症します。
脳幹梗塞の症状
脳幹梗塞は治療を受けないと命にかかわる重大な病気です。
どんな症状があるか以下に挙げてみましたので、少しでも思い当たるものがある場合は
医師の診断を受けてみてください。
・めまい
・意識障害
・瞳孔異常(明るい場所で瞳孔が開いたり、暗い場所で瞳孔が収縮する、光を当てても瞳孔が反応しないなど)
・顔面の運動・感覚の異常
・手足の運動・感覚障害 など
脳幹梗塞の後遺症
脳幹梗塞発症時に脳が受けたダメージが大きいと「損傷した部分が担当していた機能」に障害がおき、以下に挙げたような後遺症が残ってしまいます。
また、脳幹梗塞の後遺症の一部には独自の病名がついている物があります。
フォビーユ症候群
脳幹の「橋(きょう)」という部分が壊死した場合に起こります。
「橋」は小脳と大脳・脊髄の連絡を担う部分で、体のコントロールがうまくいかなくなります。
主な症状は
・目が垂直または水平のどちらかに動かせなくなる
・目が水平に外向きに動かせなくなる
・顔の半分、もしくは一部が動かせなくなる
・片麻痺
などがあります。
ワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)
「延髄」の外側が壊死した場合に起こります。
「延髄」は嚥下、呼吸、循環、消化などの生命維持に必須の機能を担っていて、この部分が
梗塞を起こしてしまうと死亡する可能性が高いといわれています。
主な症状は
・めまい
・嚥下障害
・言語障害
・体のバランスがうまく取れない
・運動麻痺
・知覚麻痺
などがあります。
パリノー症候群(上方注視麻痺)
「中脳(ちゅうのう)」の上丘部分が壊死した場合に起こります。
「中脳」は大脳皮質と小脳、脊髄との連絡を担い、聴覚、眼球運動、高度な運動のコントロールなどを行います。
主な症状は
・目が垂直に動かせなくなる
・目を動かすことはできるが、目の前に立てた指を見るなどの
「近くの物に焦点を合わせる」ことが困難になり二重に見えたりする。
・目に光を当てても同行が収縮しない
などがあります。
ベネディクト症候群
中脳の「赤核」という部分が壊死した場合に起こります。
主な症状は
・目を動かす神経の麻痺(瞼が開けない、眼球が動かせない、物が二重に見えるなど)
・梗塞を起こした側と反対の体が麻痺する
・自分の意志とは関係なく体が震えたり、くねるような動きをする
などがあります。
間脳の障害
「間脳」は脳に一番近い部分で「視床」と「視床下部」に分かれています。
視床は嗅覚を除く他の感覚すべてを大脳に伝えたり、意識を保つ役割を担い、
視床下部は自律神経のコントロールを担っており、ホルモン分泌、内臓・血圧・体温の調整などを行います。主な症状は
・意識障害
・感覚障害
・手掌・口症候群(片方の手と口同時のしびれ、感覚の異常)
などがあります。
脳幹梗塞の死亡率
脳幹梗塞の詳しい死亡率は公表されていませんが、その死亡率は高いと言われています。人間の生命活動にとって大変重要な脳幹が機能しなくなると、大脳の活動が妨げられるので意識は保てなくなりますし、自律神経や呼吸、心臓まで機能しなくなってしまうので、脳幹におけるトラブルは非常に重大な問題です。
命は助かっても重い後遺症が残る場合が多くみられます。生活の改善など脳梗塞が起きる原因を解決しない限り、1度目は何の後遺症もなくやり過ごせたとしても、再発し、いつ死亡してもおかしくないと言えるでしょう。